2016年4月29日金曜日

不肖・三田登がモノ申す!(61)

ヘイトスピーチへの明確な規制・禁止法を急げ!

「自民・公明両党と民進党との修正合意を踏まえ、自公が提出したヘイトスピーチ対策法案が、今国会で成立する方向となった」と報道されています。しかし、野党が昨年に提出した案はヘイトスピーチの禁止条文(ただし罰則規定はなし)が示されていたのに、与野党による「付帯決議」として、「国際条約の精神に鑑みて適切に対処」「地方自治体も解消に向けて取り組み」と、妥協した内容となっています。

報道されている新宿区でのヘイトスピーチへの抗議行動に参加していた女性らに対する警官が暴行した事件で、東京都内に住む女性3人が15日、氏名不詳の警察官3人を傷害容疑で告訴しました。この事件では国家公安委員長が謝罪しています。

また、「在日特権を許さない市民の会」(在特会)の会員らが6年前、徳島県教職員組合で罵声を浴びせた行動をめぐり、県教組と当時の女性書記長、が在特会側に慰謝料など約2千万円の賠償を求めた訴訟の控訴審判決が25日に高松高裁でおこなわれ、生島弘康裁判長は、「人種差別的思想の現れ」で在日朝鮮人への支援の萎縮を狙ったと判断し、倍近い436万円の賠償を命じています。

のりこえねっと・共同代表の辛淑玉さんは、新宿での事件に「かつては労組や硬派の市民運動、そして在日に向けて振るわれていた暴力が、ついに一般市民に向けられた」として、ヘイトスピーチの規制・禁止を訴えています。

近年の、在特会などによる一連のヘイトスピーチ行動は、言葉の問題だけではありません。レイシズムによる排外主義・差別主義運動を通して、物事の本質を権力側の都合のいい方向に国民を動員していくものであることは歴史が証明しています。
高松高裁判決後に会見する原告弁護団

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