2015年7月5日日曜日

なにやら四方山話⑬

「認知症サポーター養成講座」を受講してきました

去る7月4日に、八千代市主催の「認知症サポーター養成講座」を受講してきました。福祉常任委員として向学のためという意味もあったのですが、実は私の89才になる母が重度の認知症なので他人事ではありません。

当日は定員(50名)をオーバーする参加者で、「やっぱり、同じ悩みを抱えている方が多いんだなあ」と思いました。講座は、地域での相談所である「地域包括支援センター」の職員によって行われました。

前半は認知症に関する基礎知識編です。全国で認知症の人は、要介護の「自立度Ⅱ」だけでも305万人(平成24年度)。「日常生活自立度Ⅰ」または申請していない人が160万人。MCI(軽度認知障害)の人が380万人。合わせると何と、820万人の認知症高齢者ということになります。85才以上では実に4人に1人の割合となるそうです。

認知症は一言でいうと、脳細胞の障害により起こる症状ですが、症状は様々で一概には言えませんが、一般的には下記の①~⑦への段階があるようです。
①記憶障害
(新しいことが覚えられない。過去のことを忘れる)
②見当識障害
(場所、日時、時間などが分からなくなる)
③判断力低下
(筋道をたてて考えたり、計画ができない)
④実行機能障害
(日常の作業が手順通りにできなかったり、時間がかかる)
⑤失語
(相手に言葉で意志をうまく伝えられない。相手の話す内容が理解できない。日常に使う物の名前が出てこない)
⑥失行
(着替え、使い慣れた道具などの使い方が分からない)
⑦失認
(物を見てもそれが何か理解できない。身近な人の顔などが分からない)。

これら一連の進行度合いを中核症状と言うそうです。ちなみに私の母は⑦です。

後半はケーススタディです。「認知症サポーターとして出来ること」をテーマに、グループに分かれて、家族や遭遇した認知症の人と、「どう対応するべきか」を議論しながら学びます。また、職員による具体例や寸劇で確認し合います。

講座受講者は「オレンジリング」がもらえます。それがサポーターのしるしになります。「これをつけて外出してください。困った人がそれを見てサポートを依頼してきます」と言うことらしいのですが、そもそも、どれだけの人が「オレンジリング」を知っているのか疑問です。要は、つけようがつけまいがサポーターの自覚の問題ではないか。リングの製作費は、おそらく、かなりの額です。その予算を別の経費に廻すべきでは。まさか、厚生労働省と業者の癒着が…。などと疑うのは考えすぎかもしれませんが。

いろいろ勉強になりましたが、感じたことは、家族だけで全ては支えきれない問題だということです。周囲の善意によるサポートも大事ですが限界があります。国や自治体によるサポート態勢こそが問われています。八千代市の福祉行政は遅れており、むしろ後退しています。行政のチェック・提案役である議会の役割はますます重要です。
左が説明パンフレット。右がオレンジリング


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