2015年4月26日日曜日

不肖・三田登がモノ申す!(22)

福祉作業所の民設・民営化問題について市側に質問状を提出しました

八千代市にある福祉作業所は第1~第3作業所がありますが、第1、第2作業所の老朽化が著しく、建て替えは利用者、保護者の長年の悲願でした。市側も重い腰をあげ、一昨年に建設の基本設計ができました。ところが昨年10月に何の説明もなく突然「民設・民営」に変更されたのです。

建物が新しくなることは結構ですが、民設・民営化は多くの問題点があります。市側は決定の前にまずは利用者、保護者、関係者に十分な説明をし、合意を求めることが先です。そこで、去る4月20日に保護者である加藤さんと三田が共同で質問状を秋葉市長と中台健康福祉部長に提出しました。以下、長文ですが、あえて掲載いたします。(都合により一部を割愛してあります)


福祉作業所の建て替えに伴う民設民営問題、及び福祉作業所の指定管理者「佑啓会」に関する質問

八千代市長   秋葉 就一 殿  
健康福祉部長 中台 章記 殿
                                                                                           
八千代市米本1507-2
福祉作業所保護者 加藤  功
             
八千代市大和田165-52
八千代市議会議員 三田  登

[要 旨]
平素より、八千代市の福祉行政にご尽力いただき有難うございます。
さて、昨年10月、突然「市」から福祉作業所が「公設民営」から「民設民営」になることを聞き、驚くと同時に憤りを憶えております。福祉作業所は、何故「民設民営」になるのでしょうか。

今から10年前より、旧く、狭く、不衛生な第一福祉作業所の建て替えについて、「市」と「公設民営」を前提にした話し合いが進められてきました。その結果、平成23年度から平成27年度までの「第4次総合計画、前期」に「福祉作業所の整備事業」が具体的に組みこまれた経緯があります。福祉作業所は20年、30年に渡って「障害者」が住み慣れた地域で、楽しく安全に暮らし続けていくための大切な「日中活動の場」であります。
 

平成26年9月2日の「諸般の行政報告」で、福祉作業所は民設民営で整備することになりました。と報告があったそうですが、到底納得できるものではありません。(保護者はその時点では、聞かされておりません)福祉作業所の建て替えについては、今まで「公設民営」を前提に「市」と「保護者」が連携して進めてまいりました。「公設民営」「民設民営」の問題は、「市」の都合や思惑ではなく、利用者にとって本当に良いのはどちらなのか、「市」「保護者」が本質的な議論をして決めるべきものと考えます。「市」の決め方は余りにも拙速、独断専行であります。

「民設民営」は、障害者にとって、様々な問題がございます。ご多忙の折、誠に恐縮ではございますが、下記記載の1~4の項目及び添付資料を熟読吟味していただき、7~8頁の質問事項にお答え下さるようお願い申し上げます。また、本来なら、今年度は福祉作業所の実施図面も出来上がり、建設着工の年であることを付記させていただきます。

1.福祉作業所の建て替え、公設民営から民設民営への   経緯
❶平成17年頃より、「八千代市手をつなぐ親の会」が、旧く、汚く、狭い「第一福祉作業所」の建替えを「市」に要望をする。

❷平成21年~22年にかけて、平成23年4月~平成32年までの「八千代市第4次総合計画」前期に福祉作業所の整備を盛り込むことを要望する。その結果、「第4次総合計画、前期・・・平成23年度~平成27年度」に福祉作業所の整備事業が具体的に組み込まれる。

❸平成22年7月、福祉作業所の建て替えに向け、「市」主催による「福祉作業所あり方検討委員会」が発足し、新しい福祉施設のあり方を検討する。この委員会とは別に、保護者を代表して、加藤が平成23年3月1日に「つばさのあり方について、八千代市福祉作業所・保護者からの提言」を 障害者支援課に提出する。
 

❹ 平成25年、現在の第一福祉作業所、及び隣地を「市」が建て替え用地として買収する。

❺平成25年9月、市より保護者に対し、新しい福祉施設の基本図面(案)が提出される。新しい事業体系として、「生活介護事業」「就労継続B型事業」「短期入所事業」そして、重度重複障害者を受け入れた施設図面が提案された。(この内容は、保護者が要望していたものである)尚、重度重複障害者の受け入れは、「民」では実施が困難である。その為に「公」が受け入れなければいけない。と「市」から説明がある。

❻平成25年12月20日、市の担当部課長他6名、設計事務所3名、海老原議員(当時)、加藤、保護者10名、かたつむりの会2名と、提案された基本図面について話し合う。加藤が、施設平面図(案)を添付した要望書を提出する。「市」は、検討して再度打ち合わせをすることで合意する。

❼平成26年3月16日、前回と同じメンバーで話し合う。事前に再提出された図面に疑問点があり、再度加藤が施設平面図(案)を提出して話し合う。「市」が平面図を修正し、再度打ち合わせ会を持つことで合意する。
                  

❽その後「市」から連絡がなく、いつの間に、新しい福祉施設は「公設民営」から「民設民営」に針転換していた。
                 

2.その他、民設民営問題に係わる事項
❶ 平成26年11月の第4回定例会に於いて、福祉作業所の「指定管理者」が社会福祉法人「佑啓会」に決定する。この頃から、「市」と「佑啓会」が民設民営の密約をしていると言うウワサが保護者の間で広まる。

❷平成27年2月16日、保護者約30名が、市原市にある佑啓会の施設見学に行った折、佑啓会の理事長が保護者説明会で以下のような発言をしている。「(私たちの法は、八千代市の施設建設に)1億円出します。現在、福祉作業所はいくつありますか、3か所ですか、各福祉作業所から保護者1名ずつ、計3名と私たちが、 一致団結して(八千代)市に建設費の3/4を出してもらえるように交渉に行きましょう」この発言は多くの保護者が聞き、理事長の話から、国、県の補助金と合わせて福祉作業所は5億円ぐらいで建設できると知る。この発言を契機に保護者の間では市」と佑啓会の密約のウワサが確信に変わった経緯がある。

❸平成27年2月、民設民営の場合「決定している事案ではないが、3億円程度の建設補助金を出さないと公募に応じる事業者がいないだろう」と言う市の非公式見解を知る。また「民設民営」事業者は、5~6月頃に公募し、8月には決めたいようである。

3.民設民営の問題点と利点
「障害者」が住み慣れた地域で、楽しく、安全に暮すことが出来るのは、どちらなのか?「市」の都合ではなく、障害者のおかれている厳しい現実を理解し、再度論理的に考える必要がある。また、「民設民営」の「民」の指定事業者に、仮に、建設補助金として3億円を助成するなら、後、2~3億円の予算を計上し、「民」と同様、総額5~6億円で当初の計画通り「八千代市」が新しい福祉施設を建設すべきである。

❶「民設民営」は施設運営に効率性を求めなければならない。そのため、介護が困難な問題行動のある障害者や重度障害者を排除することが多々ある。 このことは、障害者、高齢者の施設では間々ある事であり、県の担当者も認識している。また、加藤自身も経験している事である。介護が困難で手が掛かりそうな障害者を断る常套句は「申し訳ありません。今、空きがありません」であったり、「当施設では、○○さんを受け入れる態勢が整っておりません。かえってご迷惑をお掛けしますので、他の施設をおすすめします」である。 

❷今後、10年、20年先、益々障害者が多くなることが予測されます。(支援学校の卒業生が増えています)「民設民営」の場合、他に行くところがない障害者を受け入れる保証はありません。入所の決定は「民の事業者」の都合で判断します。誰も関与できません。「障害者」は、何処に行くのですか。障害者の自立を支援し、共に生きる社会をつくるのが「行政の責務」です。 

❸施設側の法令違反、苦情や虐待の訴え、協力費、寄付金等の徴収など、施設側の理不尽な行為に対しても、訴えるところもなく泣き寝入りをしなければならなりません。この様な訴えをすれば、施設に居づらくなるばかりか、他の保護者から白眼視され、仲間ハズレにされるのが現実の姿です。保護者が施設側に要望や苦情を訴えると「当施設の方針では、そのような事は出来ません。また、人員体制等も整っていない為、当施設での対応は困難ですので・・・」と、遠まわしにやめても結構です。と言われることもある。

❹「市」は「民」に対し、土地の無償貸与、土地の貸与期間の短縮、運営費の補助により「しばり」が出来ると考えているが、現在でも「市」が土地を無償貸与している福祉施設は2~3あるが、全く独立した法人であり、よほどの事がなければ「市」は、関与出来ない。また、土地は「市」の所有でも、建物は「民」の所有であり、土地の無償貸与の更新がされない場合、困るのは「市」であり、犠牲になるのは施設を利用している障害者である。(土地の借用金額は、当該地では200円/坪前後であり、施設側にとって特に問題ない負担である)

❺「公設民営」の場合、「協定書」によって、事業者の不当な行為、不適切な運営があった場合は事業の取り消し等が出来る。「民設民営」の場合、たとえ不適切な運営があったとしても事業者を変えることも出来ず、犠牲になるのは利用者である。

❻「民設民営」は、経営その他の事情により、「途中撤退」、重度重複障害者の受け入れ中止等の事業体系の変更、また経営権の譲渡などの可能性がある。「施設」の安定性、確実性、安心感、そして、今までと同様、どのような障害者も希望の作業所に通所出来ることを望むなら「公設民営」である。(例え、公募条件に入れても、民営の場合、その効力は期待できない)

❼民設民営の場合、適切な「施設運営」を確保するため、事業者、保護者の代表と「市」も交えた「サービス向上委員会」等を設置するので、利用者の権利擁護、運営の適正化が図れる。と言う事業者もいるが、根本的な問題の解決にはならない。(平成26年11月の第4回定例会に於いて、市長も同様の発言をしている。)

●何故なら、保護者も自分の子供が施設にお世話になっているという気持があり、不平不満があっても言えないのが実態である。保護者が嘆くのが「自分の子供が人質にとられているから苦情や不満があっても言えない。学校と違って卒業のない人質だから」である。

●また、保護者は、施設運営や制度、法令の専門的知識がない為、施設の問題点等を指摘できないのが実態である。例え、施設運営の問題点や不満 があったとしても、施設事業者が出席している会議で、問題点を指摘できる勇気のある保護者は皆無である。
 
❽「民設民営」の唯一の利点は、福祉作業所の開所を早く出来る可能性と他の事業(グループホーム等)の展開が期待できる事です。但し、撤退、事業体系の変更等の可能性がある事も忘れてはならない。

[質問事項]
1.「第4次総合計画、前期」に計画された「福祉作業所整備事業」は、どのように「後期」に引き継がれますか。

2.4~5頁に記載された民設民営の問題点を認識していますか。また、❶~❽までの項目の問題点について、反論がありましたらお聞かせ下さい。

3.民設民営にした経緯とその理由を具体的に説明して下さい。
 

4. 利用者にとって、民設民営が公設民営より優れている点を列挙して下さい。
  

5.平成27年1月21日、「新みんなの広場」議員控室に於いて,三田登議員に対し(加藤功同席)障害者支援課長(当時)が、民設民営だと福祉作業所の建設費が約5億円で、公設だと9~10億円掛かると発言していますが、何故そのようになるのか、理由をお聞かせ下さい。

6. 福祉作業所の「民」の事業者への建設補助金は3億円程度の助成を予定し、平成28年度予算に計上したいと聞いています。あと2~3億円予算計上すれば公設民営で建設出来ると思いますが、見解をお聞かせ下さい。

7.平成26年11月の第4回定例会に於いて、市長は福祉作業所の運営費として事業者に対し「市が一部の財政的負担をする」と答弁しています。このことが10年続けば「市」の負担金額は非常に多くなり、建設補助金と合わせれば「公」で建設出来ると思いますが、見解をお聞かせ下さい。

8.「指定管理者佑啓会」が、民設民営の事業者として「市」と密約している。とのウワサがありますが、認識していますか。(3頁下段の❷を参照)
 

9.民設民営事業者の公募を今年の5~6月に、事業者の決定を8月頃にしたいと聞いていますが、お聞かせ下さい。また、選考基準の詳細、及び選考メンバーをお聞かせ下さい。
 

                                                記

1、回答は平成27年5月11日まで、書面で、面談のうえ、具体的に内容を説明して下さるようお願い致します。

2、回答をいただけない場合は、その理由を具体的に記載した書面を下さるようお願い致します。
             

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