2014年5月25日日曜日

不肖・三田登がモノ申す!⑬

~大飯原発運転差し止め訴訟判決・再稼働を認めず~
「原発より生命と人格権」当然の判決理由だ!
福井県おおい町にある関西電力大飯原発3・4号機の運転差し止めを住民が求めた訴訟で、去る5月21日に福井地裁で判決がありました。樋口英明裁判長は「生命を守り生活を維持する人格権の根幹を具体的に侵害する」とした判決理由は、判例としては画期的ではありますが、東京電力・福島第一原発事故以降の一連の情勢を踏まえれば、実は当然の判決と言えるのではないでしょうか。

住民側は「事故や放射線被害による不安のない安全な環境を享受できる権利」を主張し、人格と環境権に基づいて運転差し止めを求めていましたが、判決では「生存権と電気代のコストを並べて論じること自体が法的に許されない」「原発の危険性と、もたらす被害の大きさは福島事故を通じて明らかになった」など、指弾しています。

原子力規制委員会が全国11の原発の安全性の審査を進めていますので、いいタイミングです。原発の運転差し止めを認める判決は初めてであり、全国で取り組まれている反・脱原発運動の前進に良い影響を与えるのではないでしょうか。

しかし、菅官房長官が「政府方針は全く変わらない」と明言しているように、安倍政権に支えられた電力会社は反省を知りません。はたして関西電力は即日控訴を明言しました。また、東京電力は、まさに、その判決の日に「地下水バイパス計画」による海への放水(地下水561トン)を開始しています。これとて安全性が疑われてる作業です。

福島事故での、政府事故調査・検証委員会の調べに吉田所長(当時)が答えた「吉田調書」で所員の9割が吉田所長の待機命令に違反して撤退してしまい、事故対応がまともにできなかった事実を東電も事故調も隠蔽していたことが明らかになっています。これは氷山の一角ではないか。危険なのは大飯原発だけではなく、あらゆる原発だということでしょう。

今回の判決を契機として、人間の手に負えないものは手放して、原発の輸出中止も含めた、全原発の再稼働を止めさせる国民的運動の継続と発展が必要だと思うのです。

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