2014年5月4日日曜日

不肖・三田登がモノ申す!⑫

サラリーマンを殺す気か!
政府合同会議が「残業代ゼロ制度」を検討

政府の経済財政諮問会議と産業競争力会議合同会議が先月に開かれました。これは安倍首相が議長となっている安倍肝煎り会議です。そこで財界の意を汲んで「労働時間の規制を撤廃する制度」の検討が提案されたのです。安倍首相は「時間ではなく成果で評価すべき」としており、事実上「残業代ゼロでもよい」と言っているのです。

これは、安倍第一次(お腹が痛くて辞めた時)政権で提案したものの反対されて頓挫した「ホワイトカラー・エグゼンプション」(労働時間の裁量制)を性懲りもなく提案したものです。ちなみに私も現役サラリーマンですから、許し難い気持ちです。合同会議では「労使合意か、あるいは、高収入・能力を持つ労働者を対象とする」ことを提案していますが、ひとたび制度化されれば歯止めが利かなくなることは明白です。

いずれにしても、長時間労働・賃金カット、そして過労死につながる危険性は全く変わっておらず、それが合法化される訳ですから、ブラック企業に国が御墨付きを与えるようなもので、トンデモナイ話ではありませんか。国会の議席数と労働組合の弱体化を見透かした安倍首相が調子に乗っているだけのことです。

先日、メーデーの集会が各地で開催されました。メーデーは1886年5月1日にアメリカの労働者がシカゴを中心に8時間労働制を要求して統一ストライキで戦った歴史に由来していることは有名な話です。残業はいわば特例措置であり、その対価として、労基法に基づいて残業代が支払われるのは当然の、且つ、歴史ある労働者の基本的権利です。その権利が侵されようとしているのは、野党の責任は言うに及ばず、「たたかう労働運動」の衰退がもたらした帰結とも思えるのです。

安倍政権は労働者の当然の権利をいとも簡単に変えようとしています。東京新聞で過労死遺族の声として「私たちが願う過労死のない社会と逆行する」と掲載して批判していたのも当然です。苦労知らずで、お調子者のオボッチャン首相が持ちなれぬ権力を振りかざす国民不在の政治に、私たち国民がはっきりとNOを突き付けることが急務であることは論を俟ちません。

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